阿部定の生い立ち~純愛?淫売?数奇な運命と事件のその後の生涯

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阿部定アイキャッチ

戦前に起きた日本史上に残る男女の痴情のもつれ
として当時は大事件として注目を集めた阿部定事件の
渦中の人阿部定。

今も語り継がれる彼女の事件は究極の純愛故に起こした
事件とも言える。

事件の引き金となった阿部定の心情や彼女の生い立ちや
晩年の数奇な運命まで追ってみようと思います。

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阿部定事件

1936年昭和11年の5月18日の戦前に
起きた事件です。

当時交際していた男、大宮五郎の紹介で東京中野
にある鰻料理店「吉田屋」に中居として勤務するうち
その店の亭主石田と恋仲になる。

当時石田には妻があったことから妻帯者との不倫
関係となるも二人は最終的に駆け落ちを決行。

待合を転々としながら、尾久の待合旅館「満佐喜」に滞在。

その場で入りびたり性行為にふける二人は窒息プレイ?
言い石田が快楽を感じた行為で性行為中にクビを締める行為
をするうち、石田本人の続けるように~の言葉のまま
就寝中にクビを締め殺害。

その後石田の陰茎と睾丸を包丁で切り取り雑誌の表紙にくるんで
大事に持って逮捕されるまでの3日間持って歩いていた。

殺害して性器を切り取った後の出血した石田の血液で
『定、石田の吉二人キリ』と血で石田の太ももに記して
そのまま姿を消している。

三日後に逮捕。

逮捕された時の阿部定の言葉はこうだった。

「私は彼を非常に愛していたので、彼の全てが欲しかった。私達は正式な夫婦ではなかったので、石田は他の女性から抱きしめられることもできた。私は彼を殺せば他のどんな女性も二度と彼に決して触ることができないと思い、彼を殺した…」

何故殺害後に性器を切断したのか?については
「私は彼の頭か体と一緒にいたかった。いつも彼の側にいるためにそれを持っていきたかった」と供述している。

wikipedia:引用

阿部定のこの事件は痴情のもつれとされ懲役6年執行猶予10年の
判決を受け1941年昭和16年に恩赦を受けて5年の懲役で出所
しています。

阿部定の生い立ち~

阿部定は東京府東京市神田区(現東京千代田区)
で江戸時代から続く畳屋「相模屋」の阿部重吉・カツ夫妻の
末娘の娘として誕生する。

姉弟は8人姉弟で長女、次男、三男は幼少期にて
病気で亡くなっている。

かなり裕福な家庭であったが母親が定を出産時から
体調が悪く母乳も出なかった事から1歳になるまで
近所の乳母の元で育てられている。

姉弟が多い中での末っ子だったことから長男とは
20歳違いで長女とは17歳もの年齢差があった事。

そして器量良しで実家が裕福だったことから両親は
孫程年の離れた定を常に新しい着物を着せて三味線や
常盤津などを習わせ大人の女性のように髪を結わせて
猫かわいがりしたという。

この時代の女性に学校など無意味と言わんばかりに稽古
事を優先させるほどの熱に入れようだった両親は学校から
注意を受ける程だったとか・・・

こんな環境から定は10歳頃には男女関係のイロハを
理解していたと言われています。

ようするに相当オマセで甘やかさえた畳屋のお嬢様で
鼻っ柱が強い娘だったのでしょう。

そんな定に最初の悲劇としてのハプニングは
知り合いの大学生とじゃれあっていた所14歳の
中学時代に強姦されてしまいます。

この時代の娘が(現代でもある意味同じだが)時代背景から
して生娘で亡くなった事でヤケクソになった事は明らかで
定自身も
『もうお嫁にイケない身体になったとヤケクソになり自暴自棄になった』
とのちに認める発言をしています。

そして当時もあったらしい不良グループと付き合いを
する程定の暮らしは荒れた生活となったのです。

実家が金があった事も災いして時に10万から60万
現金を家から持ち出し浅草界隈を仲間を連れて遊び回る
程の不良娘となり下がった定。

15歳で学校も自主大学し昼に起きて朝昼兼用の食事を
済ませ風呂に入り昼から遊び歩く自暴落な生活に終止符を
打ったのは定が16歳の時三女の千代の縁談が決まった事が
引き金となった。

もはや手の施しようがなくなり、時に折檻して激しく
怒っていた父も最後には末娘の定に三行半。

家の体面を保つため定は家を出され女中奉公に出される。

だが女中奉公先の娘の指輪を盗んで窃盗で逮捕され
1ヶ月もせず実家に帰って来てたいそう激怒した父親は
1年間定を監禁状態にしていたとの事。

この後男との交際を奔放に繰り返す定を兄と父親が見かね
17歳で女衒として親兄弟に売られる事となる。

この17歳から1935年(昭和10年)で30歳だった
13年間は全国津々浦々を娼婦や妾として生きてきた定。

30歳で知り合った大宮五郎と知り合い、これまでの
生き方を厚生するよう論されて紹介された料理屋が
奇しくも定が阿部定事件の被害者となる石田の店『吉田屋』
であった。

この大宮五郎とな名古屋で知り合っているが定が今まで
出会った事のない紳士的な男性であったことと大宮は当時
名古屋市議会議員でもあり中京商業学校の校長も務める
人物で紳士的な人物であった。

大宮五郎はここで定に修行をさせて後に店を持たせる
つもりで紹介するも、石田と直ぐに恋仲になった定は
その後『阿部定事件』を起こし石田殺害の結末となる。

だが驚く事にこの石田殺害後の三日後に石田殺害で
逮捕されるまでの3日間にこの大宮五郎と会って
性行為をしていたという・・・

何と言うか・・・やはり痴女的な要素があったのは
否定できないのかもしれません・・・汗

この『阿部定事件』以降当然事件後直ぐに男女の関係を
結んでいる大宮五郎にも重要参考人として事情聴取され
取り調べを受け不問とされるがこれ以降は学生に合わす
顔が無いと隠居生活を送ったと言われている。

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阿部定の事件のその後

出所後定の面倒を見たのは姉のトクだった。

兄の新太郎が『自殺でもしてくれればいい』
言ったのに対して姉は何度も面会に来てくれたという。

出所後数日も姉のトクの世話になり、その後は
元愛人関係にあった秋葉正義夫妻の家に下宿して
その後も二人を『お父さん・お母さん』と言い
慕う関係が続く。

事件騒動の大きさから本名で出所後も生活することは
出来ず刑事から与えられた名の『吉井昌子』の名で赤坂の
料亭で働く中サラリーマンと事実婚となる。

だが1945年に東京大空襲と1947年(昭和22年)の終戦後の
エログロブームで『阿部定事件』のパロディとされる数々の
著書が出版され『阿部定事件』が思い出される中事実婚だった
夫に阿部定その人である事が発覚し夫は失踪。

それ以降は本名で生きる事を強いられ、先の秋葉夫妻の元
下宿生活に戻り援助も受け、劇団を立ち上げ自らが主人公
となり『阿部定事件』を彷彿とするべく『好色一代女』
演じるなどして6ヶ月間地方を巡業したりしている。

この後京都で芸者、大阪の「バーヒノデ」でホステス。
仲居として働いたり、また東京上野に戻りバー「クィーン」
を開店するも従業員に金を持ち逃げされて半年で閉店。

17歳で女衒として親兄弟に売られたあの日から彼女は
転げるような転落人生を流れる川の如く生きてきた。

男を愛して男を最後まで求め淫売と呼ばれ、それでも
生きて愛して、世間に行きながら話題とされながら・・・

数奇な運命を呪うでもなく流れるまま流されるままに
生きて愛して生涯を全うした。

阿部定の数奇な運命の顛末

最後は1967年におにぎりやとして62歳で
台東区竜泉に『若竹』と言うバーを開店。

おにぎりやとは名ばかりでバーとして酒を飲ませ
る店を経営。

この店には女優の浅香光代も来店していたとの事。

定の生涯において彼女を支援してきた元愛人だった秋元が
1956年(昭和31年)に死去。妻ハナも43年に死去。

この頃から『死にたい~』と口に出すようになる。

1969年(昭和44年)には映画
『明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史』に63歳の定本人が
出演してその映画でこんな事を語っているという。

「そうね、人間一生に一人じゃないかしら、好きになるのは。ちょっと浮気とか、ちょっといいなあと思うのはあるでしょうね、いっぱい。それは人間ですからね。けどね、好きだからというのは一人…(以下略)」

1970年(昭和45年)『若竹』の従業員で店を手伝う
バイセクシャルで恋仲だった女性に最後店の金を持ち逃げされる。

1971年(昭和46年)千葉県市原市の『勝山ホテル』で
働く事になり1974年(昭和49年)前後の3ヶ月間
浅草にある知人の旅館で匿われたという情報を最後に消息
不明となっている。

ただ消息不明後も殺害した石田の命日に久野寺(山梨県)に
必ず花束が届けられていたと言われている。

それは1987年(昭和62年)頃を境に届けられる事が
無くなったと言われる事から81歳頃までは
阿部定は存命していたのでは~と考えられている。

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おわりに

その生涯を愛した男を殺害した過去を背負い、前後不覚に遊女として生きた阿部定。彼女が追い求めてきたモノとは一体なんだったのか?真実の愛なのか一瞬の快楽だったのか?自由奔放にしたいままにやりたいように生きてきた阿部定の壮絶過ぎる生涯も又、とても真似はできないものの一人の女性の生涯としては確かに愛し愛された実感がどの女性よりあったのかもしれませんね。殺害した男の陰部を持ち歩いた定の女性性は決して全否定は出来ない~

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