元農水省事務次官という華やかな経歴を持つ熊澤
英昭氏が起こした息子熊澤英一郎(44歳)刺殺事件。
被害者となった熊澤英一郎の生い立ちと、誰もが認める
エリート中のエリートだった父親に息子殺害の暴挙に
走らせた理由や、その生い立ちの背景には何があったのか?
中高時代のイジメや学歴に、自身の残されたツイッター
から見る母親や父親への想いまで追って見ようと思います。
世間を驚愕させた今社会問題となりつつある8050問題
の闇の行き着く先となった熊澤英一郎の半生とは本当に
自分以外の誰かのせいで、彼の人生が破綻したのかを考えて
みたいと思います。
熊澤英一郎の優秀な父が見せたケジメで死去
40代から60代の、引きこもりが問題化される中
6月1日に起こった元農林水産省事務次官熊澤英昭(76歳)
による息子の熊澤英一郎(44歳)刺殺した事で今も
話題となっています。
故)熊澤英一郎の父親である熊澤英昭容疑者は
元農林水産省事務次官という経歴です。
事務次官は各省の事務方のトップで大勢いる職員の
中で熾烈な出世競争を勝ち抜いた者だけがなれる
役職だそうです。
熊澤英昭容疑者は現在判明している限りでは農林
水産省にいる間この事務次官と審議官という重職を
経験しています。
また天下りとはいえ2005年にはチェコ大使に就任
した超の付くエリートです。
実際彼は東京大学を卒業しているので頭が
良かったんですね。
なのでこれは想像に過ぎませんが学歴や社会人
としての経歴に拘っていた可能性もあります。
そして息子があまりにもアスペルガー症候群の
症状が強かったから、なんとか社会復帰をして
ほしいと思ったのかもしれません。
ところが熊澤英昭容疑者の願いは届かず息子英一郎の
現実逃避は続き、家族に暴力を振るうようになった
わけです。
そして川崎の連続殺傷事件を見て
「周囲に危害が加わることは絶対に防がなければ」
と思い立ち凶行に及びます。
その息子英一郎氏に残された傷後は十数か所に
及ぶ切り傷や刺し傷だったことから、父親として
のケジメだったのでしょうか。
強い殺意がその傷の数から伺えると報道されて
いました。
息子殺害後、自ら警察に100当番して殺害の事実を
伝えた英昭容疑者曰く
「殺さなければ、自分が殺された」と供述しています。
熊澤英一郎の生い立ち~アスペルガー症候群と壮絶イジメ
熊澤英一郎は生まれながらにしてアスペルガー症候群の
症状を持っていたそうです。
この症状の特徴は周囲との円滑なコミュニケーションを
取ることが不器用というものです。
父親の英昭氏の東大出身という経歴から見ても当然
子供の頃の英一郎は勉強が出来る優秀な生徒だった
ようです。
でも通常より優秀ながら、彼には諸刃の刃の如く当時
からアスペルガー症候群と言う症状も付きまとっていた
ようです。
彼は物心ついた時からアスペルガー症候群という症状を
抱え、ゲームに没頭し現実逃避したり周囲との円滑な
コミュニケーションが取れなかったそうです。
気軽に相談出来る人がいなかったからなのか、そこから
徐々に社会を敵だと思い始め中学2年生辺りから自宅に
引き籠り傾向になります。
それと同時にこの頃、初めて学校での人間関係に思い通り
に行かない事と、それでも家庭で勉強は出来て当たり前
学校は行って当り前、の姿勢だった母親を英一郎は初めて
殴ると言う家庭内暴力を振るったそうです。
後にツイッターで、当時の心境を語っていますが
死の間際まで父親に暴力を振るった彼も父親の事は
尊敬していたと分かる内容のツィートがあるも母親の
事は愚母と名称して、初めて殴った時の爽快感をツィート
しています。
この辺りから、英一郎の闇は深くなっていったのかも
しれません。
そのような環境で小学校から高校まで同級生らによる
イジメの被害に遭っていた英一郎は自分を誰一人理解
してくれない学校の同級生と、勉強ばかり押し付けた
と言われる母親とのはざまで、何かが崩れていったの
でしょうか?
彼が小学校から高校までイジメられていたのは、こうした
障害があったからと言われています。
当時の同級生の話ではクラスの誰かの親が亡くなった時に
自分サイドの自慢ばかりし、相手を労ることが出来なかった
そうです。
社交性がなく空気が読めないことから学校では孤立していた
英一郎。
同級生達が話していても避けられ無視されていたのだとか。
しかしそれだけでは同級生達の気持ちが収まらなかったのか
激しいイジメをされるようになります。
塩を鼻に押し付けられたりシャープペンで手や背中を
刺されるだけでなく、常日頃から殴る蹴るの暴行を
加えられていました。
もはやイジメの範疇を越えている卑劣と言ってもいい
行為が繰り返されてきたわけですね。
それが総合失調症になる原因にもなり、そのストレスを
家庭内暴力で発散していたのでしょうか!?
しかし彼は中学と高等は駒場東邦という進学校に
通っています。
その優秀さは、普通に高校から毎年東大生が50名程
出る学校とのこと。
英一郎氏も両親の期待の大きさの程は今となっては
分りませんが、恐らく自頭は、かなり良かった事が
伺えます。
親からのプレッシャーもあり勉強を頑張っていましたが
本当はアニメやゲームが好きだったそうです。
大学を中退したのはそろそろ親と同じような道を
歩むのは嫌だ!
そんな感情が形成されてきたからなのかもしれません。
その後は代々木アニメーション学院など幾つかの
ゲーム・イラスト関係の学校に通っていたといいます。
熊澤英一郎の母親と兄弟への激しい憎悪
事件から10日あまりの日にちが経ち、少しずづ
過去の家族関係や英一郎氏の情報も色々浮上して
います。
SNSなどのネット上では英一郎の母親が学歴重視で
大変厳しい人物だったという情報もあります。
その理由は英一郎自身がTwitterでの発信で
「私が勉強を頑張ったのは愚母に玩具を壊されたくなかったからだ」
と投稿されていたからのようです。
これだけ見ると母親が彼に自分の価値観を押し付け
ているようにも思えます。
一部情報によると、学生時代テストの点数が芳しくないと
英一郎の母親は迷わず英一郎が大事にしていたプラモデル
を捨てたり破壊するような、激しい怒りを態度に表して
いたそうです。
他にも当然、母親には母親の言い分があるとは思いますが・・・
彼があまりにも長く自宅に引き籠り現実逃避を
したからということも考えられます。
母親が学歴に厳しかったのではなく、エリートの
父親の近くで育てば無言のプレッシャーを感じる
ことがあったのかもしれません。
ですからそういった意味では母親を激しく憎んでいた
可能性もあります。
また英一郎に兄弟がいたという情報はありませんが
マスコミや近隣住民によれば娘がいたという情報が
あります。
本当に娘がいるのか姉か妹かは何一つ分かっていない
とはいえ、もしいたとすれば父親が罪を犯し大変な
思いをしているのてはないかと思います。
熊澤英一郎の唯一自慢の父親
華麗過ぎる経歴を持つ熊澤英昭容疑者は息子殺しと
言う悲惨な経歴まで付いてしまい父親としても人と
しても、これ以上ないほどの境遇にあります。
息子英一郎殺害後の逮捕後の事情聴取で明らかと
なったのは、息子英一郎殺害に至るまでの親子の経緯。
10年ほど一人暮らしをしていた英一郎が、実家に帰郷
して同居を始めて直ぐに始まった家庭内暴力。
その身体にはハッキリと確認できるアザが無数にあり
妻と共に痣が出来るほど殴られるなど帰郷後も変わらぬ
激しい家庭内暴力を受けていた事が分かっています。
その内容もある時にはライターの火を押し付けるという
凶行に及んだほどだというのだから、どれだけ両親に
反感を持っていたのかが良く分かります。
そのわりに父である英昭の東大卒の学歴や元農林水産省
事務次官という肩書きは周囲にやたらと自慢していました。
それは学校の同級生に留まらずTwitterへの投稿にも及び
英一郎が夢中になっていたドラクエ10のサービスも父親の
一存で終了出来るなどと発言していました。
ここまで来ると自慢というより父親の肩書きを利用した
脅しと捉えられても仕方がありませんね。
どうやら農林水産省事務次官は何でも出来る!
上級国民なんだぞという行き過ぎた現実逃避に
取り憑かれていたようです。
自慢の父親の分身として世に認められなかった彼は
元々優秀な能力があっても、それを自らの責任だ、と
理解する程には優秀ではなかったのでしょうか。
ともあれ、人生も終盤と言う年齢でありながら実の
息子に手をかけるしかなかった熊澤英昭容疑者の無念と
実の父親に、そこまでの暴挙に走らせた息子英一郎は
今あの世で何を想うのでしょう・・・
おわりに
8050問題として取り上げられ今や40代から64歳までの引きこもりは61万人に及ぶほど社会問題となるなか、学校や会社での人間問題で躓いた時、親が同サポートすれば良いのか?年齢が上がれば上がる程心の闇が深くなり手も付けられないと言われる引き籠り民達への今後の社会のサポートの在り方も考えていく必要があるのかもしれませんね。これをきっかけにニートや引き籠りといった問題に社会が更に真剣に取り組んでくれたらなと思います。明日は我が身なので・・・
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