2022年8月30日、20人の男児への強制性交や強制わいせつに問われた元ベビーシッター、橋本晃典被告に東京地裁で懲役20年の実刑判決が言い渡されました(求刑は25年)。
小児性愛者による前代未聞の規模のわいせつ事件ですが、実は彼の生い立ちとの深い関連が指摘されています。
橋本被告は最初の逮捕後、次々に余罪が発覚し、強制性交22件、強制わいせつ14件、児童ポルノ禁止法違反で20件起訴されていますが、両親からのネグレクトや性被害の過去が話題になっています。
橋本晃典の生い立ち、男児わいせつ事件とネグレクト、性被害の過去についてお伝えします。
橋本晃典のベビーシッター連続わいせつ事件
8月30日、シッターなどとして派遣された保育先で男児20人に性暴力を繰り返したとして、強制性交等罪などに問われた橋本晃典被告(31)の判決公判が(東京地裁)あり、裁判長は「信頼される立場を利用し、被害者らの性的知識の未熟さにつけ込んだ悪質な犯行」として、懲役20年(求刑懲役25年)を言い渡しました。
判決によると、被告は2015~20年、東京都内のシッター派遣先や山梨県のキャンプ場などで男児にわいせつな行為をしたり、その様子を撮影したりといいます。
橋本晃典被告は、ベビーシッターの派遣先や、ボランティアとして参加したキャンプ場などで男の子に対し性的暴行を加えた強制性交や強制わいせつの罪などに問われ、被害にあったのは当時5歳から11歳までの男の子20人でした。
弁護側は被害者2人については「スキンシップだった」などとし、起訴内容の一部は無罪を主張していましたが、5~11歳の男児への強制性交、強制わいせつ、児童ポルノ禁止法違反で起訴された56の事件すべてが有罪とされ、懲役20年が言い渡されました。
判決は、被告が保育士の資格を持ち、児童養護施設の職員やシッター、児童キャンプのボランティアスタッフなど、信用される立場を利用したと指摘。
被害者について「幼少で被害の意味を十分に理解していない者も含め、今後の健全な成育への悪影響が強く懸念される」され注目されました。
橋本晃典の逮捕歴
橋本晃典は、2015年から4年にわたり何度も犯行を重ねる常習犯で、4度の逮捕歴があったことがわかっています。彼はもはや、病的なまでの小児性愛者であったことがわかります。
☆1度目の逮捕
2019年11月、東京都中央区にあるマンションの一室に住む男児の下半身を触るわいせつ行為で逮捕。
キッズラインのマッチングサービス(審査し登録したシッターを派遣)を利用した事件で話題に。
☆2度目の逮捕
2019年12月、キャンプに参加していた小学5年生の男児に性的暴行、強制性交の疑いで逮捕。
携帯電話に男児のわいせつ画像や動画が大量に保存されていた。
☆3度目の逮捕
2020年2月、1度目と同じボランティア団体のキャンプで小学生児童に性的暴行、強制性交の疑いで逮捕。当時「覚えていません」とし容疑を否認していた。
☆4度目の逮捕
2020年7月9日、当時東京の児童福祉施設で勤務中だった橋本が、男児にわいせつな行為をし、さらに動画も撮影していたことで逮捕。
橋本晃典の生い立ち~母のアル中父の暴力
橋本晃典は、母のアル中父の暴力という不遇な子供時代だったといわれています。
今年の6月に行われた被告人質問で、橋本被告は自身の不幸な半生を語りました。アルコール依存症で小学6年生の頃に亡くなった母親からは『おまえなんて生まれて来なければ良かった』と言われ、父親からはDVを受けていたと明かしています。(「文春オンライン」司法担当記者)
母親は酒を飲むと暴れ出し、幼い橋本にも酒を買うお金を求めたとか。
橋本が8歳の時、母親が働いていた居酒屋の店長と不倫、家を出ていきましたが彼が小6の時、心筋梗塞で亡くなったそうです。
被告は公判で、両親からの虐待や学校でのいじめの経験を明かし、親の愛情への飢えなどから「分け隔てなく接してくれる子どもに近づきたいと思うようになった」などと述べた。性加害者の再犯防止に取り組む専門家も証人として出廷し「生い立ちやいじめのトラウマを自己治療するために子どもへの性暴力を繰り返した」などと説明した。(朝日新聞DIGITAL)
橋本晃典の男児への性的指向には、彼の生い立ちが色濃く関わっていたようです。
橋本晃典の生い立ち~学校での壮絶イジメ
橋本晃典の性加害のきっかけにもなったとされる、学校での壮絶イジメが明らかになっています。
小学校でも中学校でもいじめられた。万引きを強要され、上履きに画びょうを入れられ、トイレの個室で水をかけられた。それが嫌で不登校になると、父親にあざができるまで顔を殴られた。家にも学校にも居場所がなく、死を考えたこともあった。(朝日新聞:引用)
橋本が壮絶なイジメを受け、次第に自殺を考えたとき、純粋な居場所としてたどり着いたのが、自分より小さな幼児の男の子でした。
『男の子と接している時は安心感やぬくもりを感じた』というのが小児性愛者になった経緯だとのことでした(文春オンライン)
ただ、両親からのネグレクトや自分の被害を語りながらも、自身の犯した加害行為については淡々と否認や黙秘する場面がみえ、彼の不遇に同情ばかり寄せるわけにはいかないようです。
性犯罪者の再犯は数多く、更生も困難とよくいわれますが、橋本が服役する20年で果たして再犯を止めることができるのか注目されます。
橋本晃典の性被害の過去
“中3の時、ネットで知り合った男性にホテルで性的被害を受けた。(朝日新聞)”
橋本晃典にはこのような性被害の過去にあったことも伝えられました。
今回の事件の裁判では、特に彼の壮絶な生い立ちやイジメ、思春期の性被害の過去が男児へのわいせつ行為につながったものとしてあげられ話題になりました。
橋本自身、性被害にあった人間なのになぜこのような事件を起こしてしまったのか。裁判での被害者の心情は悲痛なものでした。
被害者は「事件にあってから数日間とにかく苦しかった。(橋本に)深夜に起こされてトイレで事件が起こったので、自分の家なのに今もトイレに行くのがつらい」と意見陳述しました。
(出典:TBS NEWS)
法廷で「心の底から反省している。二度と子供に関わる仕事はしない」と供述した橋本被告。弁護側は「再犯の可能性は低い」と懲役10年が相当としていたが、東京地裁が出した判決は懲役20年だった。これを不服として、橋本被告は9月5日付で控訴したことが明らかになっている。(文春オンライン)
橋本による性被害にあった男児らの数は多く、懲役20年の刑が下ってもなお心配の声があがっています。
おわりに
ベビーシッター連続わいせつ事件で逮捕された橋本晃典は、母のアル中や父の暴力の壮絶な子供時代を過ごし、学校でもイジメを受け、さらには中3で性被害の過去があったことがわかっています。4度の逮捕歴があり、強制性行などで起訴された事件は56にものぼり、全て有罪という前代未聞の事件ですが、橋本の生い立ちやイジメのトラウマから脱却するための仕業だったといわれています。
性犯罪の再犯率は高く、懲役20年が下った今も橋本についても、更生ができるのかといった不安が依然として拭えないと思われます。
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