日光東照宮の三猿の修復は失敗?顔の激変は必然なのかミスなのか?

この記事は3分で読めます

修繕後

2017年3月に大規模修復を終えた日光東照宮の三猿。

日光東照宮はご存じの通り世界遺産であることから
マメに修復が行われており、常に美しく新しいような
状態が保たれています。

神厩舎に取り付けられている三猿も今回の修復で
キレイになるはずだったのですが…

「三猿、修復して表情が変になってる」
「コレは…修復失敗では?」と話題になりました。

以前の三猿と見比べると確かに表情に違和感があり、
色んな方面で物議を醸していました。

果たして三猿の修復はホントに失敗だったのでしょうか?

今回は日光東照宮の三猿の修復についてをご紹介していきます。

Sponsored Link

日光東照宮の三猿の修復は失敗?

三猿
冒頭でもお伝えしたように、修復後の三猿は
「変になってる」と評判になり、あまりのおかしさに
「失敗なのでは」とも言われていました。

具体的にどう変になったかというと
「猿の目が大きくまん丸になった」ことにより、
ゆるキャラのような雰囲気になったのです。

修繕前
ちなみにコチラは修復前の「言わ猿」です。

修復前の猿はどこか険しさがあって
リアリティを感じることができましたが…

修繕後
コチラは修復後の「言わ猿」です。

修復後の猿はキョトンとした表情が
コミカルな雰囲気を醸し出しています。

表情だけ見ていると「言わざる」というよりも
「言っちゃった」みたいな感じにも見えますね。

これまでの三猿に慣れていた人からすると
「なんだコレ!変なの!」と思うかもしれませんが、
実はこの修復は決して失敗ではありません。

というよりも、仕方ないことなのです。

三猿の彫刻は屋外に設置されているので傷みやすく、
塗装が剥がれて下地があらわになっていきます。

長いあいだ雨風にさらされていると、
どんなものでも劣化するし
塗装だって剝がれたりしますよね。

修復前の塗装が剥がれた三猿はなんだか
可哀そうでした。

そんな三猿ですが、本格的に修復するとなると
今の色を全て落とした上で、猿の表情から全てを
ゼロ状態から塗り直すことになるのです。

過去の修復時に残された資料を参考にしながら
塗り直しは進めますが、猿の細かい表情や毛並み
などは職人の腕によるところが大きく、以前の猿と
かけ離れてしまうことはあっても決して失敗ではないのです。

実際に先代の猿もそれ以前の歴代の猿も、みんな猿の
雰囲気が違いますし、職人の個性が感じられます。

先代の猿に比べると今の三猿は確かにポップな感じに
なりましたが、きっと見慣れてくるとコレはコレで
愛嬌を感じられることでしょう。

日光東照宮の三猿の修復の歴史

歴史

日光東照宮ではマメに修復作業が行われて
いますが、大規模修復は1969年から1973年
行われた「昭和の大修復」以来です。

2013年から2017年に行われた今回の
「平成の大修理」は、約半世紀ぶりの
大修復になりました。

神厩舎に取り付けられている三猿を含む猿の彫刻も、
明治時代以降1900年と1923年、1951年、1973年に
修復作業
がされていますが、8面全部を本格的に色を
塗り直して修復したのは実に65年ぶりです。

日光東照宮には見所がたくさんありますが、その中でも
三猿は有名な彫刻なので、久々の大修復で力を入れて
いたのがよくわかりますね。

Sponsored Link

日光東照宮の三猿修復の顔の激変は必然なのかミスなのか?

必然ミス
前述したように、三猿修復の顔の激変はミスではなく
「職人の腕や個性」によるところが大きいです。

どうしても先代の三猿と比べてしまうので
「違和感がある…」「前の三猿と表情が全然違う!」
など「コレじゃない感」がスゴいでしょう。

しかし、前の塗料を全て落として0から猿を塗り直すと、
どうしても仕上がりは変わってきてしまうものです。

結果、職人の腕や個性が全面に出るので、猿の顔の
激変は必然と言えます。

…ですが!

日光社寺文化財保存協会の技師長は、
「現状を極力残すことが基本的な指針」とした上で
「できるだけ昔の修理後の状況を再現する」ことを
この度の修復の目標としていました。

三猿修復は手作業なので以前のものより変化が
あるのは自然かつ必然ではありますが、修復当初の
方針と目標を考えると今回の激変は

「やっぱりどこかミスした?」
と思うのも仕方ないですよね。

後は見る方の捉え方にもよるのかもしれませんね。

Sponsored Link

おわりに

日光東照宮の三猿修復についてのまとめは、次のとおりです。
・修復後の三猿は、以前の三猿よりもコミカルな仕上がりで「修復失敗なのでは」とも言われていた。
・三猿を修復するとなると今の色を全て落とした上で、ゼロから猿を描き直すことになる。
・猿の細かい表情や毛並みなどの表し方は職人によって異なるので、以前の猿と違う仕上がりになっても失敗ではない。
・三猿の彫刻は1900年、1923年、1951年、1973年に修復作業がされており、8面全部を本格的に修復したのは65年ぶり。
・三猿修復の顔の激変はミスではなく、職人の腕や個性による必然のもの。
大修復後のお披露目から、あっという間に「表情が変だ」「修復失敗だ」とウワサになった三猿の彫刻…
修復に関わった職人さんの気持ちを考えると少し切なくなりますね。
今は違和感アリアリの修復後の三猿も、見慣れてくると「コレで当たり前」「コレこそ三猿」と思えるようになるでしょう。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. 人力車
  2. 幼少期
  3. 眠り猫
  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。