2019年12月10日、フィンランドで世界最年少の
34歳で第46代フィンランド首相となり注目を
浴びたサンナマリン首相。
フィンランドでは3人目の女性首相ですが、
才色兼備の女性リーダーの誕生に世間が沸きました。
サンナマリン首相のプロフィールや経歴、そして
生い立ちに見る両親の離婚や母親の同性婚などに
ついてまとめてみました。
サンナマリンプロフィール
名前:サンナ・マリン
出身:フィンランド
生年月日:1985年11月16日(34歳)20年4月時点
政党:フィンランド社会民主党
家族:夫・子供1人
身長:168㎝
言語・英語・スウェーデン語・フィンランド語
出身大学:タンペレ大学行政科学修士号取得
現職:第46代フィンランド首相
2019年12月10日~
サンナマリンは世界最年少女性の首相
サンナマリンは34歳の世界最年少女性首相で
2歳の子供がいる母親でもあり、その若さ、美しさや
生い立ちなどでも注目を浴びました。
大学卒業後、政治の世界に進み、活躍していきます。
2006年頃から既に積極的に政治活動に関わっていました。
(フィンランドでは10代から青年組織を通し政治に参加します。)
経歴
2010~2012年:社会民主党青少年組織の副議長
2013~2016年:ピルカンマー県議会議員
2013~2017年:タンペレ市議会議長
2014年:社会民主党副党首
2015年:国会議員(ピルカンマー県の選挙区から出馬、約11,000票を得て当選)
2019年6月:運輸・通信大臣
2019年11月:郵便局のストが1週間以上続き、交渉が紛糾
2019年12月:アンッティ・リンネ首相の辞職を受けて、首相に選出
驚くことにフィンランドの5つの政党のリーダーは
全て女性で、そのうち4人が35歳以下という若さ。
日本の政党とは大きく違っていますね。
社会支援の重要性や、平等の大切さを身を持って
感じたことから政治家を目指したといいます。
サンナマリンの生い立ち~両親の離婚と貧困と
女性の社会進出が目覚ましいフィンランドという国で
僅か34歳という若さで首相にまで上り詰めたサンナマリン。
一体どれ程、優秀で恵まれた環境で育ったのだろう、と
日本ならではの発想で考えてしまいますが実は彼女の
生い立ちは決して恵まれた環境で育った訳ではありません。
それどころか、一般家庭より貧しい家庭に育ったといわれ、
幼少期に父親のアルコール依存症で両親が離婚しています。
両親の離婚で経済的に余裕がなかったサンナマリンは
思春期の15歳でパン屋や雑誌配りの仕事をしたり、
学生時代はレジのアルバイトをしながら政治を勉強
するなどの苦労をしています。
フィンランドは福祉国家としても有名ですが、男女平等、
女性や子供、全ての人々の人権が尊重されている幸福度の
高い国家としても人気があります。
「ここでは、貧しい家族の子供が教育を受け、人生で多くのことを成し遂げることができます。レジ係は首相にさえなることができる。」
サンナマリンの名言にある言葉ですが、貧困でも
学びの機会を与えられ夢を持ち生きられるフィンランド
という国に誇りを感じ、弱い立場にある人々に自身の
実体験を重ね誰にも尊厳ある暮らしを願う姿は大変印象的です。
もちろん、そんな家庭環境や貧困を言い訳にしない
強さや前向きさ、そして何より彼女の勤勉さが認められ
大学への進学は無償で進学する程の能力の高さも備えた
女性でもありました。
サンナマリンの母親の同性婚とLGBTへの考え
サンナマリンは両親の離婚後、母親と母親の
パートナーによって育てられたといいます。
そのパートナーと聞けば誰もが通常は養父を想像
するでしょうが、サンナマリンの母親が選んだ
パートナーは何と同性である女性だったのです。
日本より数段そうした同性婚や同性とのパートナー
への見解が深いフィンランドでも多少の偏見は
もしかしたら、あったのかもしれません。
まだ幼かった彼女は、そうした環境に一時期、
疎外感のようなものを感じていたと後に語って
います。
やはり同性カップルは普通の親ではないといった
見識が、根強く欧米社会に残っていることを、
かつてマリンは語っており課題を指摘しています。
フィンランドでは女性のパートナーシップ制度が
2002年にできており、2014年には同性同士の結婚の
平等が正式に認められています。
ですがLGBTの歴史の中ではまだ日が浅く、今も
メンタルヘルスや老後についての多くの問題を
抱えています。
フィンランドのLGBTの家族、特にレズビアンと
ゲイの家族をレインボーファミリーと呼んでおり、
サンナマリン自身自分の家族をレインボーファミリーで
あると公言しています。
離婚や母親の同性婚という環境が当たり前の日常で
育ったことから、LGBTや平等とは何かということに
早くから目覚め課題意識を養ってきたことがわかります。
レインボーファミリー出身のサンナマリンにしか、
わからないLGBT社会の問題が国政に反映され、異常視
されてきたカップルたちに日が当たる日も近いかもしれません。
サンナマリンの娘とパートナー
そうした環境で多様性がある社会で育ったサンナ
マリンは2018年1月には娘を出産し1人の母親でも
ありますがパートナーとの関係に婚姻関係はありません。
パートナーは長年交際しているサッカー選手の
マルコスライコネン氏として知られています。
マルコスとの間には娘エマを授かり母親でもある
彼女は、あえてシングルというスタイルを選び
現在でも正式な婚姻関係をもっていません。
それも多様性のある社会を熟知するサンナマリン
自らが選んだ新しい一つのレインボーファミリーの
形なのかもしれませんね。
彼女のような知性も美貌も兼ね添え政治家としても
認められ首相にまでなるような女性が、あえてシングル
マザーとして生きる。
それこそLGBTはじめ多様性を認めるフィンランドの
最年少女性首相として選ばれた由縁なのかもしれませんね。
そんなフィンランドに比べたら日本は随分遅れた国に
見えるのかもしれません。
おわりに
フィンランドの世界最年少首相となったサンナマリンは、両親の離婚や貧困、同性婚カップルのレインボーファミリーとして育つなど苦労も多く、社会的に疎外感を感じながら過ごしていましたが、フィンランド社会の手厚い福祉や平等精神に支えられ、政治の道を究めることができました。
身近にLGBTや平等ということを実感する環境にあり、国政の中でその経験が生かされていくことが期待されています。
2015年に初当選しわずか4年で首相になるというスピードにも国民の大きな期待度が伺え、その高い手腕に注目が集まります。サンナマリンの首相としての挑戦は始まったばかりですが、全ての人々が等しく恩恵を受けられる素晴らしい未来が描かれていくことを願っています。
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